メールボックスを接続する
チケットシステムは IMAP で受信メールを取得し、SMTP で返信を送ります。ほとんどの事業者では、ユーザー名とパスワードだけで済みます。例外は Microsoft 365 です。その理由と、10分ほどで解決する方法をご説明します。
お使いの事業者に必要なもの
下の表からお使いの事業者をお探しください。3つのうち2つは、追加の作業がまったく要りません。
| 事業者 | 必要なもの | そのまま接続できる |
|---|---|---|
| 自社のメールサーバー、レンタルサーバー(all-inkl、Strato、IONOS、Mailbox.org など)、社内の Exchange | メールボックスのユーザー名とパスワード。 | はい |
| Google Workspace / Gmail | アプリパスワード。Google は通常のアカウントのパスワードを受け付けません。アカウントで二要素認証を有効にする必要があります。有効にしないと、Google はアプリパスワードを発行しません。 | はい |
| Microsoft 365 / Outlook.com | そのままでは接続できません。Microsoft が IMAP でのユーザー名とパスワードによるサインインを廃止しました。アプリパスワードも同じ仕組みを使うため、役に立ちません。回避する方法は、転送を設定したヘルプデスク専用のメールボックスです(手順は下にあります)。 | いいえ |
Microsoft 365 がそのまま接続できない理由
Microsoft は Exchange Online の IMAP で「基本認証」を停止しました。これは当社の製品だけでなく、Microsoft 365 のメールボックスを直接読むすべてのプログラムに影響します。後継は OAuth2 で、そのためには Azure のディレクトリに独自のアプリケーションを登録し、アクセスを許可する必要があります。当社は OAuth2 にまだ対応していません。対応は予定していますが、時期はあえてお伝えしません。多くのお客様にとっては、下の方法のほうが結局は良い選択です。ディレクトリの管理者も、期限の切れるアクセス許可も必要ないからです。
サインインには影響しません。Microsoft Entra ID は SSO の提供元として接続できます。OIDC や SAML 2.0 に対応するほかの提供元と同じ扱いです。Microsoft で OAuth2 が必要なのは IMAP でのメール取得だけで、当社がまだ提供していないのは、その部分です。
解決方法:転送を設定した、ヘルプデスク専用のメールボックス
ユーザー名とパスワードで接続できる事業者に、別のメールボックスを一つ作ります。多くの場合、レンタルサーバーの契約に含まれています。顧客が知っているアドレスは、そこへ転送します。チケットシステムが読むのは、そのメールボックス一つだけです。
この方法の利点
- チケットシステムが社内のメールボックスにアクセスすることはありません。転送されたメッセージだけを読みます。
- アプリの登録も、ディレクトリ管理者の同意も、90日で期限が切れるアクセス許可もありません。
- どの事業者でも同じように動きます。メールの事業者を乗り換えたあとも同じです。
- クラウド型のヘルプデスクは、初期状態でまさにこの形で動いています。違いは、ここではメールボックスがお客様のもので、データがお客様のサーバーに残る点です。
手順
ヘルプデスク用のメールボックスを作る
レンタルサーバー、またはユーザー名とパスワードでの IMAP を許可している事業者で作成します。⚠️ そのドメインのメールをすでに Microsoft 365 が扱っている場合、このアドレスをメインのドメインに置くことはできません。サブドメインか、事業者のドメインをお使いください。IMAP のサーバーとポート(通常は 993、SSL)、SMTP のサーバーとポート(通常は 465 で SSL、または 587 で STARTTLS)を控えておいてください。
Microsoft 365 で転送を設定する
Microsoft 365 の管理センターで、顧客が書き送るアドレスを新しいメールボックスへ転送します。⚠️ Microsoft は初期設定で、外部アドレスへの自動転送を止めています。管理者が送信スパムフィルターのポリシーで、明示的に許可する必要があります。許可しないと何も届かず、メールボックス側にもエラーは出ません。
チケットシステムに入力する
Settings → E-mail で、IMAP のサーバー、ポート、SSL を入力し、続いてチームごとにメールボックスのユーザー名とパスワードを入力します。処理済みメールの保存先フォルダーは、入力する必要がありません。「Read from server」が実際のフォルダー一覧を取得します。フォルダーの名前は、事業者ごとに違うためです。
差出人のアドレスを決める
SMTP の設定で、返信の差出人として顧客に見えるアドレスを決めます。多くの場合、顧客がすでに知っているアドレスが適切です。送信には、その差出人アドレスを許可するサーバーが必要です。通常は、ヘルプデスク用メールボックスと同じ事業者になります。
動作を確認する
顧客向けのアドレスにメールを送ってください。1分以内にチケットがシステムに入り、送信者に受付の連絡が届きます。何も届かない場合は、まずヘルプデスク用メールボックスの迷惑メールフォルダーをご確認ください。
気をつけたいこと
転送されたメールは迷惑メールに入ることがあります
受け取る側のメールボックスから見ると、転送したサーバーはメッセージの差出人と一致しません。最初の数日は迷惑メールフォルダーを確認し、転送元を許可リストに追加してください。
送信は、もう半分の話です
Microsoft は、ユーザー名とパスワードによる SMTP 送信も制限しており、廃止を予定しています。最初から、ヘルプデスク用メールボックスと同じ事業者から送る前提で計画してください。
ヘルプデスク用メールボックスに不在通知は設定しないでください
両側で自動返信が動くと、返信同士が行き来してしまうことがあります。顧客への受付の連絡はチケットシステム自身が送るため、メールボックス側の自動返信は必要ありません。
メールボックスはチームごとに一つ
チケットシステムが読むのは、チームごとにちょうど一つのメールボックスです。IT と経理のように複数の領域がある場合は、それぞれにメールボックスと転送の設定を一つずつ作ってください。
Google Workspace と Gmail の手順
この場合、転送は必要ありません。アプリパスワードがあれば、メールボックスをそのまま接続できます。
- 1.Google アカウントで二要素認証を有効にします。有効にしないと、Google はアプリパスワードを発行しません。
- 2.アカウントのセキュリティ設定でアプリパスワードを作り、控えておきます。表示されるのは一度だけです。
- 3.チケットシステムに入力します。IMAP は imap.gmail.com、ポート 993 で SSL。SMTP は smtp.gmail.com、ポート 465 で SSL です。アカウントのパスワードではなく、アプリパスワードを使ってください。
- 4.フォルダー名は入力しないでください。Gmail はシステムのフォルダーを「[Gmail]/…」のような名前で持っています。チケットシステムの「Read from server」を使い、一覧からフォルダーを選んでください。
お使いの事業者がどれに当てはまるか分かりませんか。事業者の名前をお知らせいただければ、いちばんの近道をお伝えします。
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